世界の駄っ作機風にゲームを語る

日本の名(迷)作?ゲーム  その1 School Days


(注)自分はスクールデイズをプレイしていません。そのためコンテンツにいくらかの不足があると思いますがご容赦をお願いいたします。ただし、レビューサイト、画像集めなどできる限りのことはしております。


さて、現在日本のアニメ・ゲーム業界ではヤンデレというのが小さなブームを起こしています。このヤンデレとは「普段は優等生的なキャラクターに見えるが、主人公に惚れており(デレ)、ストーリーの進行に従って明らかになる何らかの事情により、精神的に病ん(ヤン)でしまう女性、もしくはその状態を指す。」というもの。冷静に考えてリアルではあんまりお付き合いしたいタイプではないな。 では、何故このような属性が流行ったのか?それはここで紹介する2005年に発売された「スクールデイズ」が一つの火付け役となっている。


このゲームを作ったオーバーフローは元々有限会社スタックといって、F&Cの製品を受注していたところだった。製品でも有名なものが多く、『Piaキャロットへようこそ!!2.5』・『With You 〜みつめていたい〜』なんかを作っている。あと、一世を風靡したシスプリの下請けもやっていたといえば結構意外と思う人も多いかな?さて、そんなこんなでこの有限会社スタックは1999年自主制作物のブランド名を現在のオーバーフローに定め、『ら〜じ・PONPON』でデビュー。その後スクールデイズまでに7作の作品を出すことになった。実はF&Cの作品が多い開発下請け会社ということで、作品にF&Cの作品のパクリ・盗作の疑いがもたれるデザイン・構図が散見するんだが、ココではあんまりそれには触れないことにしよう。


その後、オーバーフローは8作目のゲーム「スクールデイズ」の製作を決定、なんと全篇フルアニメーションという冒険的な作品に打って出ることになった。ストーリーも当時の発表では王道とも言える学園アドベンチャー。あと、フルアニメということで18禁シーンも当然期待が持たれ、代表のメイザーズぬまきちが積極的に広報を行っていたこともあって発売前からネットや秋葉原で話題となっていた。あと、当初公開されていた第一話(体験版)の出来が良かったこともあるし。この時点ではフルアニメを使った反動でインストール容量がでかくなったり要求スペックが大きかったりすることはあまり問題になっていなかったんだな。あとで8ギガも喰うことが明らかになり、特にノートパソコンには結構厳しかったんだが、その時はそれどころではなかったし。 そして2005年4月28日、スクールデイズは発売と同時になかなか快調な売れ行きを見せていた。やっぱり事前にあれこれ宣伝したのが効いていたようだな。しかし、快調だったのはここまで、発売後になって問題が続出してきた。


元々このメーカーは品質管理(バグとかの多さ)について相当問題のあるところだったのだが、このスクールデイズでもそれが発揮された。普通のメーカーなら2,3回のパッチで何とかなるところがこのゲームでは11回。いかにずさんな管理体制かがうかがえる。これ建築業界とかだったら間違いなく耐震強度偽装とかで問題になるところだぞ。


おまけにシナリオ自体も最初の予想とは全然違うことが明らかになっていた。最初は「王道学園モノ」という感じだったが、次第にヒロイン同士の修羅場の連続、しまいにはEDの一つ「鮮血の結末」ではメインヒロイン桂言葉がもう一人のヒロイン西園寺世界鋸で斬殺すると言う衝撃的展開にまでなった。(このエンディングで流れる曲「悲しみの向こうへ」は神レベルの出来である。是非EDの映像とあわせて聞いてみよう)


参考「鮮血の結末」画像




体験版(これだけで720Mという大容量)でも不穏な空気が実はあったんだがほとんどの人間は気が付いてなかったし(というか、そんな展開予測しろというほうが無茶でもあるが)。 ・・・期待を裏切るとか言う以前にこれある種の詐欺じゃないか?ちなみにこんなEDでも殺される西園寺世界相当なビッチ(としか言いようがない)ということもあり、世論は言葉に同情的で人気があったことは書いておこう。


しかも、主人公の人格にも致命的な問題があった。主人公の性格云々は他のゲームでも言われるが、特に伊藤誠(主人公)のへたれ具合は群を抜いていて、「非常識」「なんでプレイヤーの意思と正反対の行動をとる!?」「人間のクズ」とひどい言われようだった。 まぁ、「あんなブヨブヨした体なんかにもう触る気がしない」 「世界なんて中だしさせてくれるだけしか価値のない屑女だよ」 とか言う台詞を吐いた時点で弁護の余地がないのは確実ではあるが。というかお前の「好きな人」というのはHさせてくれる娘って事か!?こんな奴であるからEDの一つでヒロインに刺殺された時は多くのプレイヤーが喝采を叫んでいたらしいぞ。まぁ気持ちは分かるけどな。


全国のプレイヤーが喝采を叫んだ瞬間


自分としてはこれが原因で全国の伊藤誠氏が変ないじめにあわないか心配ではあるなぁ・・・
そんなわけで色々致命的打撃を受けたかに見えたが、どっこい、世の中には奇特な人がいるもので「だがそんな言葉様がいい」「この壊れたヒロインに萌えるんですよ!?」とか言う変な人気が沸騰、ヤンデレブームの火付け役となった。 うーん、世の中何が流行るかわからないなぁ・・・ そんな感じで意外にも興行成績は良好だった(他の何かいろいろ大切なものを失った気もするが)オーバフローはこれに味を占めて同じ世界観を使った「サマーデイズ」を製作することになる。ご多分の予想に漏れずここでも色々あるのだが、それはまぁ次回のお楽しみという事で。