萌える春秋戦国史 「しゅん☆じゅう」 その11

さて、今回で萌える春秋戦国史も11回目だけれど・・・


前回は作成時間の都合上短くなってしまったので今回はしっかり進めたいと思います。







斉・国境地帯


鮑叔
しまった、まさか管仲が殿下を暗殺に来るとは・・・殿下!ご無事ですか!


公子小白
うう・・・死ぬかと思ったわ・・・


ご無事で何よりです。・・・しかし、矢が直撃したように見えましたが・・・


幸い矢がベルトの留め金に当たったようね。


なるほど。しかしこのままでは再度襲われるかもしれません。このまま死んだ振りをして臨淄まで急行しましょう。


それがいいわね。



一方魯の首都・曲阜


管仲
殿下、任務完了したぜ。


公子糾
よくやったわ!これで邪魔者は消えたわね・・・魯荘公に頼んで兵を借り、臨淄に戻るわよ。


魯荘公
おお、これで晴れて国君として帰国できるわけやな。そなたの母は我が魯の公女、これからもよろしく頼むで。早速護衛の部隊を編成させるわ。


そして斉・魯国境地帯


ん?前方に大軍が・・・あれは迎えに来た斉軍かしら?


いや、それにしては様子がおかしいような・・・


東郭牙
これは公子糾様、よくいらっしゃいました。公孫無知の死を知って戻られたのでしょうが・・・すでに公子小白が斉桓公として即位しております。どうかお引き取りを。


な、なんだってー!


そんなバカな!小白は殺されたはずでは!


いえ、腹部に矢を受けたのですが金具で命拾いをしたの。ともあれ、引き上げないとなればこちらも力ずくで追い出す事になるけど・・・


くっ・・・強行突破をしようにも兵力が違いすぎる・・・やむをえない、引き上げる!




魯都・曲阜


・・・ん?戻ってきたとはどういうわけや?


それが、実は・・・


なんやと!むむむ、こうなったら正規軍を出動させてうち自らが直卒して斉へ進軍する!


施伯
殿、お待ちください。こうなった上はすでに斉軍も準備を整えているでしょう、兵力ではこちらが不利です。ここは様子を見るべきでは・・・


・・・いや、これ以上時間をかけると逆に向こうから攻めてくるかもしれん。先制攻撃あるのみ!



斉・乾事の地


ふむ・・・やはり来たわね。こういうこともあろうかと動員をかけておいてよかったわ。準備はどうなっているの?


作戦は既に整っています。私と高徯殿が正面で敵を食い止め、東郭牙殿が迂回して敵の側面を突く予定です。


よし、全軍出陣!


うむ・・・やはり斉軍も出てきたようやな。けどまだ全軍を動員しとらんようや、今がチャンス、突撃や!



魯軍兵士
ウラーーーーーー!!!!



高徯
怯むな!時間を稼げ!


くっ、守りが堅くてなかなか陣を破れん・・・


・・・そろそろね。合図を送りなさい!



魯軍の背後はがら空きよ!一気に潰しなさい!


斉軍兵士
ウラーーーーー!!



な、何!伏兵!?


げぇっ!斉軍!


まずい、兵が浮き足だっとる・・・それにこのままでは包囲されてしまうわ。やむをえない、退却や!


よし、このまま追撃に移る!



こうして斉に攻め込んだ魯軍は大敗、このまま斉軍は魯の国内に攻め込んだの。


まさに亡国の危機ね、主力に打撃を受けた魯軍では支えきれないんじゃないの?


ええ、その通りです。しかしここで斉から魯に使者が送られました。



魯都・曲阜


殿、斉より隰朋殿が使者として来られました。


・・・一体何の用や・・・ともかく通して。


隰朋
やぁやぁこんにちは。うちの殿から伝言を預かってきたにょろ。


伝言?


ぶっちゃけると、休戦の条件だね。公子糾が生きている限り、うちの殿は枕を高くして眠れない。・・・というわけで、公子糾をそちらで処刑してもらいたい。あ、でも管仲は別だよ。うちの殿に矢を射掛けた管仲は必ず生け捕りにして引き渡してね!間違っても殺しちゃ駄目だよ!


・・・考えさせてもらうわ。


うん、でもそう長くは待てないよ!うちの軍の大将の東郭牙は特に気が短いからね!




・・・どうすればいいと思う?


こうなった上は公子糾に死んでもらうほかはありません。・・・しかし、管仲は渡すべきではありません。斉桓公を補佐している鮑叔は彼の親友です。その彼がいる以上管仲の処刑などありえません!


いや、考え過ぎや、いくらなんでも自分に矢を放った暗殺者を登用したりはしないやろう。


・・・分かりました。では公子糾はこちらの方で。



・・・ん?不穏な気配が・・・


まずい、屋敷が囲まれている!?


・・・命令です。死んでもらう!


く、せっかく出番が増えたと思ったのに!?




と、殿!・・・私も殺す気か?


いや、そなたは斉に引き渡す事になった。来てもらう。


・・・分かったぜ。(殺す気ならここで殺せるはず・・・何があった?)


斉都・臨淄


・・・さて、連れてこられたはいいが・・・


ようこそ、管仲


よう、鮑叔。それに・・・桓公?!


待っていたわ。


これは一体どういうことだ?


実は・・・



ここで場面は桓公の即位直後に戻ります


さて、どうやら魯はこちらの要求を呑むようね・・・しかし、管仲を生かしたまま引き渡せとはどういうこと?


殿、殿が斉の君主であるだけでよいならば、この私でも宰相が務まりましょう。しかし、天下の覇者になりたいと思われるならば宰相は管仲でなければなりません。


何ですって?!管仲が何をしたか忘れたというの?!


そのときの彼の主君は公子糾です。彼は主君のために忠義を尽くしたに過ぎません。


ううむ・・・それほどの人物なのね・・・分かったわ、彼を斉の宰相に迎え入れましょう。


回想終わり


・・・というわけよ。


そうか・・・そこまで私の才能を買ってくれているとは。よし、引き受けたぜ!



そして次の日


さて、この度管仲を宰相に任ずることにしたわ。賛成のものは部屋の左の席、反対のものは右の席に着きなさい。


(ふむ・・・全員が左についたわね。おや?東郭牙だけが中央に・・・)


東郭牙、なぜ中央に立ったままなの?


私は管仲の人物識見を定かには知らないわ。それで賛否を決めかねているの。


そろそろ朝議が始まるわ。早く左か右に着きなさい!


いいえ、話を聞き、様子を見たうえで決めようと思います。


殿、お待ちください。彼は精錬潔白な人柄で上位の者にも怯まず、自分の意見を持った骨のある人物です。彼を大諫(政権内のご意見番)に任ずるべきかと。


え!?別に私は役職が欲しいわけじゃ・・・


東郭牙殿、是非お願いします。


・・・フン、あ、貴方のためにやるんじゃないんだからねっ!


・・・これなんてツンデレ


元ネタの本にこんな場面があったのでやってみた。反省はしていない。との事ですね。


いいのかしら?


さて、それはそれとしてこれから管仲は斉桓公を補佐して斉の国力増強に乗り出したの。主な内容は斉国内の領地の再編成、物価の安定、製塩、漁業の活性化などね。ところがやはり初期にはそこはかとない反発があったの。


反発?


それはこれからの動きを見てください。



・・・管仲、貴方の改革が効果を上げているのは確かだけど、朝臣の中には反発しているのもいるようね。


なんだって?効果が上がっているのに?こっちは誰かを弾圧とかはしてないぜ。


それが、昔から斉が強国だという思いがあるみたいで、このまま手柄を独り占めされるのは面白くない。どこかに戦争でも仕掛けて今でも斉が強国だ、というのを認識させようとしているみたいね。


ふーむ・・・いっそその戦いに負けてくれればこっちもありがたいんだけどな。


相手もあることだから・・・それに絶対相手に強国は選ばないわよ。


それもそうか。となると、魯あたりかな・・・この前戦争して勝ったばかりだし。




一方魯国では


???
このままでは魯は斉に圧迫されたまま・・・私が何とかしなくては・・・




といったところで今回はこれまで、次回に続きます。


最後に出てきたのなのはさんは誰役なの?


それは次回に明らかになるとの事ですね。






なお、アイコンは以下のサイトから使用させていただきました。


ぶらんけっと様
眠りの園様
まこっちゃん記様
し〜くれっとも〜ど様
みょふ〜会様