萌える春秋戦国史 「しゅん☆じゅう」 その42

さて、今回で萌える春秋戦国史も42回目ね。


今回は、晋の他にも各国にスポットを当てていくぜ。






さて、前回のラストで楚穆王が亡くなったところまでは暗視が進んだけど、跡継ぎとして楚荘王が即位したわ。彼は後に楚の歴代君主の中でも最高の名君とされ、春秋五覇の一人に数えられるの。



楚荘王
楚の第六代目の王。姓は羋、氏は熊、諱は侶、または旅、諡は荘。楚の歴代君主の中でも最高の名君とされ、後に春秋五覇の一人に数えられる。


おお、という事は早速晋と覇権をかけて激突するのか?


いいえ、荘王は即位当初はまったく政治を見ようとせず、日夜遊びほうけていたの。


おいおい。


しかも、こんな事まで・・・


いい、私に諫言する者は全て死刑よ!


楚の大夫
ちょ、おま・・・・・・


とりあえずこれから数年は楚に動きは見えなくなるわ。


ふむふむ。


さて、ここで舞台は宋に移るわ。



紀元前611年  宋都・商丘



やぁやぁこんにちは、私は宋の大夫華元さっ!


華元
宋の大夫。華御事の子。宋昭公、宋文公、宋共公に仕える。宋昭公の時代は不遇を囲っていたが、国人、大夫からの人気は高い。


せっかく来てくれてうれしいけど、今わが国は主君(宋昭公)と家臣の間がうまくいっていないにょろ・・・・・・


私も本当は高位の大臣の家柄だけど、今は不遇の身・・・でも、仕方ないね・・・何しろ曽祖父(華父督)は一度宋の公室に反逆してるにょろ・・


華父督
宋の卿。前682年没。名は督、字は華父。公子説の子。戴公の孫。公孫。孔父嘉の妻を見初め、孔父嘉を殺して妻を奪う。さらに殤公をも殺して自身は大宰(宰相)となる。実力は確かで、主君を弑したにもかかわらず30年もの間国の実権を握り続けたが、南宮長万に宋閔公が殺害された際に巻き込まれて殺された。



この曽祖父の反逆というのはなんなんだ?


あ、それはこの連載の5話を参照してね。



萌える春秋戦国史「しゅん☆じゅう」 その5 - 徒然なる読書の日々出張版



まぁ、悩んでいてもしかたないねっ!明日も頑張らないと・・・


宋軍兵士
華元様、屋敷に公子鮑様がお見えです。


えっ!?一体何事にょろ・・・?


公子鮑
宋成公の息子。よく礼をつくし、よく施したため国の人々からの人気が高い。後の・・・


さて、ここで補足の説明を加えるわね。この公子鮑という人物は宋成公の息子に当たるんだけど、宋昭公が即位した事で君主にはつけないと思われていたの。ところが宋昭公は即位直後に反乱を起こされるわ本人も暗君だわで大夫たちの支持を得られずにいたのね。


ふむふむ。


ところが、逆に公子鮑よく礼をつくし、よく施したため国の人々からの人気が高まっていたの。しかも公子鮑は美男だったため、襄公の夫人王姫からも誘われることに。


王姫
襄公の夫人。周の恵王の娘、襄王の姉。襄夫人。周の王女。襄公の死後、三代に渡って権力を保持し続けた影の実力者。昭公とは非常に仲が悪く、弟の公子鮑(文公)を援助して昭公を討った。襄公の夫人ではあるが子にあたる成公よりもかなり若いようで、公子鮑と通じようとして断られている。王は王室の意、姫は生国の姓。


というわけで、や ら な い か。


ババア自重!


何を言うか失礼な!こんな若い娘を捕まえて。


いや、アイコンじゃそうかもしれんが俺はあなたの孫に当たるんだぞ?(宋襄公は公子鮑の祖父)どこの世界に孫に手を出す祖母がいるんだ!


気にするな、某国のHENTAI文化ではロリババアのじゃロリも一定の市民権を取りつつある。


メタ発言も自重しろよ・・・


ふむ・・・まぁいい、私はお前が気に入った。今後も何かと援助しよう。それにあの昭公が長生きする事は国のためにも良くないしな・・・


・・・・・・




華元の屋敷


やぁやぁ公子、よくおいでくださいました!今日は一体どんな御用にょろ?


うむ。実は・・・私は宋に正道を回復したいと考えている。それで、華氏にも力を貸して欲しいのだが・・・


宋に正道を・・・公子、一体何をなさるのですか?


今、兄が国君では国は治まらない・・・そうであれば・・・


・・・公子、今は耐えるべきです。兵を挙げても、いずれその刃が自分に向かうときが来ます。だから、民が公子を必要とするときまで耐えるべきですにょろ。


・・・そうか・・・





・・・どうだ、華元は信用できそうか?


力を貸してもらおうと思っていたが、逆に諌められた・・・だが、確かに信用できる人物のようだな。


華元は耐えるように言ったか・・・確かに、公子が自ら兵を挙げるのは良くない、私に任せておけ。ふふふ・・・




そして数ヵ月後、王姫は兵を集めて狩りに出る宋昭公を待ち伏せしようとしたの。


何?大臣の蕩意諸も昭公に随行すると・・・殺すには惜しい人物だ、先に警告しておくか・・・


蕩意諸
宋の卿。前611年没。公孫寿の子、公子蕩の孫。父が官職を継ぐことを辞退したので、祖父の後を継いで卿となった。忠臣といっていい人物で、最後まで昭公に仕えた。



何ですって、王姫から・・・?でも、私には殿を見捨てる事など出来ません!



殿!


宋昭公
ん・・・どうした?


どうしたではありません!このまま進めば兵に襲われます、どうして他国へ逃れないのですか?


いや・・・いい。


!?


大夫達や祖母、それに国人にも嫌われた自分を迎え入れる国などもう無いだろう・・・こうなったのも自分の招いた事だ、こうなったらせめて潔く最後を迎える事にするよ。


・・・わかりました、では私もお供いたします。


いや、死ぬと分かっているところに・・・


大丈夫ですよ、私は最後まで殿と一緒です!


・・・すまない・・・



・・・いたっ!国の仇はあそこにいるぞ、かかれっ!


ウラーーーーー!!!!!


くっ・・・ただではやられませんよ!



怯むな、撃て、撃て!


きゃあぁぁ!?



ぐはっ・・・



ふむ・・・殺ったか・・・では、公子鮑を即位させるように。


はっ。


こうして、公子鮑が宋文公として即位したわ。彼は華元を引き立て、最高位の大臣である右師(右大臣)の位に就けたの。そしてこの直後、晋が宋を討つために軍を進めたの。




・・・というわけで、既に晋軍は国境近くに布陣してるにょろ。晋軍の指揮官は荀林父殿と報告が入っていますにょろ。


うむ・・・仕方が無い、私が釈明に向かおう。


いえ、それはやめた方がいいですにょろ、もし殿が捕縛されたら取り戻すために時間がかかります。ここは私が・・・


そうだな、それがいい。


王姫!?


今殿が国を離れてはまた動乱が起きるかもしれない、それにだ、いい手がある。



これを荀林父に献上するといい。




こ、これは・・・


以前斉で国君が殺害された際、斉の君主は晋に賄賂を贈って追及を免れたそうだ。今回もおそらく大丈夫だろう。今の晋公はあまりいい人物とは言いがたいようだな・・・


わかりました。では行って来るにょろ!



晋軍陣営



荀林父
えっ?宋の大臣がやってきた?


晋軍兵士
はい、いかがしますか?


うーん、趙盾殿からは宋を攻撃するように言われているんだけど・・・正直晋の盟下にある宋を攻撃してもいいことないの・・・話し合いでどうにかできるならそれに越した事は無いの。とりあえず通して。


はっ。


やぁやぁこんにちは、宋の右師華元にょろ!


晋の荀林父なの。それで、用件は・・・


晋がわが国に来られた理由はわかっていますにょろ。ですが、ここは一つ穏便に頼みますにょろ。





っ!?・・・わかったの。うちの殿には上手く伝えておくの。


よろしくお願いしますにょろ!


こうして宋文公は正式に即位を認められ、宋の国君となったわ。


今回はここまでかな?


そうね、次回は南方の楚がいよいよ動くわよ。


それでは、また次回に。



本日の死亡者


宋昭公
宋国第二十二代君主。在位年は前619〜611年。名は杵臼。成公の子。穆公・襄公の一族や王姫・戴氏など敵が多く、即位後もしばらく事件が続いた。具体的な悪事などは記されていないが、暴君、暗君と評されることが多い人物。大夫たちの支持を得られず、孟諸へ狩りに行く途中で王姫の命を受けた兵に殺された


蕩意諸
宋の卿。前611年没。公孫寿の子、公子蕩の孫。司城。父が官職を継ぐことを辞退したので、祖父の後を継いで卿となった。忠臣といっていい人物で、最後まで昭公に仕えた。昭公の襲撃前に王姫は蕩意諸に公の側から離れるよう言ったが、「臣として仕えながら君を見捨てることはできない」と言い、昭公を守って戦死した。





なお、アイコンは以下のサイトから使用させていただきました。


ぶらんけっと様
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まこっちゃん記様
し〜くれっとも〜ど様