東方キャラで語る飛行機の歴史 その10
「王賊はなかなか面白いわね、難易度もそこそこ、さくさく進むけどイベントも結構多いし」
「戦力集中の基本を押さえるのが一番ですねー、序盤なんかそれ間違えたらあっという間に負けますし。あ、久しぶりの佐々木珠流先生の絵というのもポイント高いですね。」
- 出版社/メーカー: ソフトハウスキャラ
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 55回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
「あの人もおちゃめな人よねぇ・・・2ちゃんスレで社員乙がいい意味で使われているのは珍しいわよ。*1」
「今日はフランスの対戦車攻撃機ポテ75ね。」
ポテ75対戦車攻撃機
「今回はフランス機か・・・見た目プロペラ機だけど、これはいつごろ開発されたものなんだ?」
「それはこれから説明するわね。1945年に第二次世界大戦が終結、一応戦勝国になったフランスは1946年から再びインドシナで植民地戦争を始めることになったの。フランスとしては軽く一ひねりのつもりだったんだけど」
「そうは行かない!インドシナの独立は守り抜くぞ!」
「予想に反して戦いは長期化、1954年にはフランス軍はディエンビエンフーで大敗してしまうの。」
「このインドシナ戦争の最中にフランスのポテ社は新作の攻撃機を思いついたの。当時実用化され始めた有線式対戦車ミサイルを搭載した攻撃機よ」
「当時は東側の国*2も元気だったからそっちに対抗する意味もあったのね」
「この有線式対戦車ミサイルだけど、射程が短いので結構飛行機のほうにも制約がついたようね。何しろ超低空を低速で飛ばなければいけないんだから。」
「有線式じゃそう長い射程じゃないしなぁ・・・確かに仕方が無いか」
「こんなわけで、この新作攻撃機ポテ75は飛行機がジェット化しつつあった1950年代ににしては随分変わった機体になったわ。まず射手席が先頭にあって操縦席は開放式。」
「エンジンは520馬力のポテ8D−32を一基推進式に装備、脚は前線飛行場での運用を考えて固定脚装備、武装は12.7ミリ機銃1門に対戦車ミサイル4発もしくはロケット弾8発ね。。」
「聞けば聞くほど1950年代の攻撃機には思えないな・・・」
「対戦車ミサイルだけは近代的だけど・・・」
「試作1号機の飛行は1953年に行われて、何回かのテストの結果短距離離発着能力や射撃時の安定性、脚が頑丈なおかげで不整地性能も良好という結果が出たの。」
「・・・まぁ、この狙いそのものが大はずれだったんだけどね。当時のフランスの仮想敵国はソ連だったんだけど、ソ連軍の対空火器って14ミリとか23ミリクラスの高射機関砲を大量に装備していたの。こういった大口径火器が相手ではポテ75の防弾ではとても持たないわけ。」
「エンジンが500馬力とかじゃそんな防弾出来ないしなぁ・・・」
「しかもこれって低空を低速で飛ぶってコンセプトよね?スピードってどのくらいなのかしら?」
「最大速度は時速275キロ、作戦最小飛行速度は105キロね。」
「・・・これじゃ対戦車攻撃機というよりソ連向け有人標的機じゃない・・・」
「そんなわけで、フランス陸軍にはポテ75は不採用だったんだけど、こんなこともあろうかとポテ社はこの飛行機を対ゲリラ用の軽攻撃機として改良することにしたの。」
「あ、確かにこの時代のゲリラなら大して対空砲も持っていないし」
「大丈夫、イギリス人なんか巡洋艦に戦艦ぶつけたり壊滅しかけた駆逐艦隊に戦艦部隊で追撃かけて堂々と誇ってのけるから。」
「そんなわけで、このポテ75には改造が施されたの。まずはコクピットを密閉式に直して武装も7.5ミリ機銃4門、ナパーム弾やロケット弾ポッド、ナパーム弾が搭載可能になったわ。」
「確かに対ゲリラ戦ならこっちの装備のほうが使い勝手がよさそうね。」
「しかも、値段も安くなったということでフランス陸軍は1957年に量産型を15機、さらに100機を追加発注したの。ちょうど北アフリカでも独立運動が始まっていたのでそちらで使う予定だったのね。」
「ところが、このあたりでフランス政府は財政難に見舞われて国防費が大幅削減されてしまったの。当然対ゲリラ用攻撃機も練習機の改造型で間に合わせることにしてポテ75の量産発注は中止になってしまったの。」
「でも話を聞く限り特にこの飛行機って酷いのがあったわけではないのかしら」
「そうなんだけど、実はこの手の任務ならヘリコプターの武装型の方が人員輸送とかにも使えたりしてよっぽど便利だったという思い違いがあったのね。もうこの頃になると実用的なヘリがどんどん生産されていたし」
出演:十六夜咲夜
射命丸文
スバル・ナカジマ
ティアナ・ランスター
エリオ・モンディアル
キャロ・ル・ルシエ
音速丸
サスケ
参考資料
- 作者: 岡部ださく
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (13件) を見る