萌える春秋戦国史 「しゅん☆じゅう」 その28


さて、今回で萌える春秋戦国史も28回目ね。


今回からはいよいよ後の晋文公こと亡命公子重耳にスポットを当てていきます、





さて、前回では晋恵公治下での晋の国内情勢を描いていきましたが、前回までで見たとおり、重臣に罪を着せて殺したり、隣国の秦に喧嘩を売った挙句あげく返り討ちにあったりで国内の情勢は不穏なままでした。


ここで晋恵公が亡命していた兄に向けて刺客を放ったのね?


そうです。この時重耳は北方にある狄の地に亡命していたのですが・・・



紀元前643年  狄の地


趙衰
殿、大変です!本国から情報が入ったのですが晋恵公がこちらに向けて刺客を放ったそうです!


重耳
な、なんだってー!?ということはまさか・・・


狐偃
以前蒲城で殿を狙った閹楚が来ているとのことよ。


どどど、どうしよう?!


狐毛
と、とりあえず見張りを増やして・・・



一方狄の地 辺境付近では




・・・晋では政治が乱れているとのことだが・・・殿が晋に戻るのはいつの日になるのか・・・


介子推
晋の下級貴族。公子重耳を慕って狄の地へ行き、孤偃の配下となる。放浪中の重耳を守り、陰で激闘を繰り広げる。


閹楚
・・・


ん、あれは?怪しい奴、名を名乗れ!


・・・邪魔よ、どきなさい・・・


何を!?  ん、その顔には見覚えが・・・まさか、閹楚!?


馬鹿ね・・・前に出なければ死ななくとも済んだのに・・・



くっ!?


私の剣を受けた!?なかなかやるわね!



このっ!


っ・・・まぁいいわ、今日はこのくらいにしてあげる・・・


逃げられた!?  急いで報告しないと・・・



・・・まずい事になったわ。閹楚は既にこの狄の地に潜入しているみたいね。部下から報告があったわ。


先軫
・・・潜伏しているなら、山狩りをかけて狩り出せば・・・


そうもいかないわ、恵公の母は狄の出身、つまりここにも恵公を支持する部族はけっこういるのよ?このままここにいたら命がいくつあっても足りないわ。


むむむ・・・


胥臣
こうなったら東の斉に行きましょう。覇者の斉桓公の下なら恵公も手出しできないはず。


そうするしかないね・・・



妻よ、そういうわけで、斉に行く事になったんだよ。


季隗
重耳の妻。亡命した重耳と狄の地で結婚した。



私もお別れするのはつらいですが、そういうことなら仕方がありませんね・・・


でも、必ず迎えに来るよ!子供たちの事をお願い。もし・・・25年経っても戻ってこなければほかにいい相手を見つけて。


まぁ・・・25年も経てば、きっと私の墓に大きな木が生えているでしょう。でも、私は待っています。


ごめんね・・・


・・・私も殿と一緒に斉に行く事になりました。いつ戻れるかは分かりませんが・・・盾を頼みます。


はい・・・


叔隗
趙衰の妻で季隗の姉。趙衰と狄の地で結婚し、息子の趙盾を産んだ。


趙盾
趙衰の息子。後に・・・


こうして重耳一行は狄の地を離れ、斉に向かう事になりました。


ふむふむ。


ところが・・・




斉への道


・・・ここまでは無事に来られたけど・・・閹楚が黙っているはずが無いな・・・どう襲ってくる?ん、あれは・・・




な、何!?


重耳の部下
うげっ!?



・・・


くっ!?


謎の集団
ウラーーーーーー!



な、どうしたというの!?


山賊の襲撃です!


まずい、馬車がやられた・・・


これじゃ斉に着くまで食料が持たないです・・・


重耳一行は斉への道の途中で山賊の襲撃を受け、馬車と食料を失ってしまいます。


あら、それってまずくない?


そのため、重耳一行は先に近い衛へ向かうことにしうました。食料が無いため、一行はボロボロになりながら衛へ向かったのですが・・・


なにかあったのかしら?


ええ、この時の衛の君主は衛文公と呼ばれる人で以前衛が滅亡しかけた後(その18参照)復興に力を注いだ人でした。これだけなら名君と呼ばれて終わっていたのですが・・・・・・


衛文公
衛国第19代目の君主。滅亡しかけた衛の復興に力を注ぎ、国力を回復させた。このため、国内は良く治まったものの・・・


え?晋の亡命公子が来た?無視しなさい無視!大体こちとらそんなのに構ってられないわよ!


え、それはまずくないですか?一応仮にも晋の公子を・・・


寧遠
衛の宰相。衛文公の下で復興に力を注いだ。


よそはよそ、うちはうち!


こんな感じで衛は重耳一行を門前払いにしてしまいました。


あらら・・・


・・・うう・・・かつては衛文公も亡命した事があるというのに・・・人の苦労を知らない顔で通すなんて・・・


許しません・・・絶対に・・・



衛・五鹿地方


しかしおなかが空いた・・・このままじゃ倒れちゃう・・・


ん?あそこに農家が・・・食べ物を頼んでくるわ。


・・・


あ、ちょっと頼みがあるのだけど・・・


ん?


少し食べ物を分けてくれないかしら?


はい、はい、少しお待ちを・・・


ん・・・こ、これは!?



土じゃないの!?よくも馬鹿にして・・・斬り捨てる!


いえ、待ってください。土を貰ったという事は領地を貰うという事です。縁起がいいので、そのままにしてください。


え・・・分かった。


(・・・でもこの恨みは絶対に忘れませんけどね・・・)



こうして、重耳一行はぼろぼろになりながらも何とか斉に向けて旅を続けました。


今回はここまでかしら?


そうですね、次回も亡命公子重耳にスポットを当てて行きます。




なお、アイコンは以下のサイトから使用させていただきました。


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